変形性膝関節症とは?症状・治療法やしてはいけないこと・予防法を解説します

変形性膝関節症とは?症状・治療法やしてはいけないこと・予防法を解説します

中高年の方が「最近年のせいか膝が痛い」と訴えることは珍しくありません。

実はその膝の痛み、ただの加齢ではなく「変形性膝関節症」という病気かもしれません。

今回は、特に中高年の方が発症しやすい、変形性膝関節症について解説します。

目次

1.変形性膝関節症とは?

2.変形性膝関節症の原因

3.段階別の症状

4.検査方法と治療法

5.してはいけないこと

6.変形性膝関節症の予防法

7.まとめ

1.変形性膝関節症とは?

腕や膝など、人間の身体のあちこちにある関節と関節の間にはクッションの役割を果たす「軟骨」があります。

変形性膝関節症は関節の間にある軟骨がすり減ることで、関節の変形や炎症が発生することで痛み・腫れを生じる病気です。

一般的な膝の痛みと変形性膝関節症のもっとも異なる点は、少しずつ徐々に症状が悪化していく点です。

一度すり減った軟骨は再生しないため、違和感を持ったらなるべく早めの受診が早期回復の鍵になります。

2.変形性膝関節症の原因

変形性膝関節症は、発症する原因ごとに大きく「一次性変形性膝関節症」「二次性変形性膝関節症」のふたつに分類することができます。

一次性変形性膝関節症の原因

一次性変形性膝関節症は画像検査をしても、病気などの明らかな原因がないとされるものが当てはまります。

明らかな原因はないものの、一次性変形性膝関節症と診断された場合には、原因として生活環境や体質などが関係してきます。

一次性変形性膝関節症の原因として考えられるものには、体重増加や筋力低下に伴う膝関節軟骨への負担が増えたり、加齢に伴って膝関節軟骨がすり減ったりすることが挙げられます。

二次性変形性膝関節症の原因

二次性変形性膝関節症と診断される場合には、外傷などのケガや病気などの明らかな原因があります。

スポーツ選手が起こしやすいケガである靭帯損傷や半月板損傷などの外傷も二次性変形性膝関節症の一因です。

また関節が炎症を起こす関節リウマチや、腫瘍が発生する滑膜性骨軟骨腫症の他に、神経・骨・代謝に関する疾患も原因になり得ます。

変形性膝関節症は中高年の方に多い病気ではありますが、ケガが原因である二次性変形性膝関節症の場合にはこの限りではありません。

3.段階別の症状

変形性膝関節症の症状は、初期症状・中期症状・末期症状に分類することができ、後になる程日常生活に支障をきたします。

初期

初期症状の場合、膝の痛みは鈍痛であることがほとんどです。

初期の自覚症状としては、身体を動かし始めた時、膝付近に違和感や重さ、鈍痛を感じることなどが挙げられます。

初期症状の場合、少し休めば違和感や鈍痛が治まるというのも特徴的です。

中期

中期症状に進行してしまうと、初期症状では少し休めば治まっていた違和感や鈍痛がなかなか治まらなくなります。

しゃがむ動作や正座、階段の上下などの膝関節を動かす姿勢や動作を行う時に強い膝の痛みが発生します。

末期

末期症状まで進行すると、膝関節の軟骨はほとんどない状態まですり減っています。そのため、初期・中期症状で発生した症状の全てが悪化し、座ったりしゃがんだりだけではなく、歩行も困難になることが多いです。

 

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4.検査方法と治療法

変形性膝関節症はレントゲン・MRIなどの画像検査や関節液・血液等の検査を行うことで診断されます。

治療方法には「保存療法」と「手術療法」のふたつがあり、基本的にはまず保存療法から治療が開始されます。

保存療法

保存療法は主に、運動療法と薬物療法のふたつを行うことで変形性膝関節症の症状を緩和し、日常生活を送れる状態を目指します。

運動療法の治療方針

変形性膝関節症の症状は運動不足や筋力低下によって症状が悪化しやすい病気です。

そのため、運動療法では膝関節への負担軽減につながる、膝関節周囲の筋トレ指導が行われます。指導で扱われることが多い筋トレは、太もも前の筋トレや脚上げ体操のふたつです。

薬物療法の治療方針

薬物療法では、症状の進行度合いなどに応じて内服薬・外用薬・関節内注射を組み合わせた治療を行います。

内服薬や外用薬では、関節の痛み・炎症を抑える薬を投与・塗布する非ステロイド性消炎鎮痛剤などが処方されやすいです。

関節内注射では、炎症鎮静効果の強いステロイドや、関節機能改善する薬を利用します。

手術療法

保存療法を実施しても症状の改善が見られず、日常生活を送るのが困難である場合には手術療法による治療が必要です。

変形性膝関節症に対する手術療法としては、関節鏡視下手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術があります。

関節鏡視下手術

関節の変形が酷くなく、痛みの原因が関節の内側にある滑膜の炎症や半月板損傷による炎症である時に行われる手術です。

関節鏡を用いて、軟骨片を除去したり、痛みの原因である部位を部分的に切除します。

高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術は脛の骨の一部を除去して下半身のバランスを整え、膝関節にかかる負担を軽減します。

膝関節やその内部を切除しない手術であるため、除去した骨が接合すれば日常生活やスポーツも可能です。

人工膝関節置換術

痛みの原因が関節軟骨のすり減りの場合に、関節表面を除去して人工関節に置き換える手術です。

リハビリにより術後の日常生活は問題なくこなせるようになりますが、スポーツや膝関節に負担がかかる正座などは避けなければいけません。

5.してはいけないこと

膝関節や膝関節軟骨への負担がかかる姿勢・動作を避けることが変形性膝関節症を発症しない、症状を悪化させないことに繋がります。

日常生活でありがちな、直接床に座ったり、和式トイレを使ったりすることは避けましょう。

布団で眠る場合には布団に出入りするための上下運動で膝に負担がかかるため、可能であればベッドを利用しましょう。

また、喫煙や飲酒は膝関節軟骨の生成や耐久性を下げやすくなるため、可能な限り避けることが重要です。

6.変形性膝関節症の予防法

変形性膝関節症は膝関節や膝関節軟骨に負担がかかることによって発症しやすい病気です。

そのため、発症しないためには、日常生活の中で膝への負担軽減を意識する必要があります。

例えば、正座を避けて椅子に座ったり、なるべく洋式トイレを使ったりクーラー等による膝の冷えを避けたりするようにしましょう。

肥満体系の方の場合には、減量を意識して膝への負担を軽減することが重要です。

7.まとめ

中高年の方が発症しやすい、変形性膝関節症について解説しました。

加齢や筋力低下、肥満などによって発症しやすい病気ではありますが、ケガや病気が原因の場合には若年層であっても発症する病気です。

日常生活の中で姿勢や動作を意識すれば、膝関節への負担軽減を行うことは可能です。

なるべく膝に負担を掛けないように心掛け、もしその上でひざに痛みや違和感を感じたらなるべく早めに整体院や整形外科で相談してみましょう。

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監修者紹介
堀 雅登(ほり まさと)

理学療法士。藤田医科大学病院、フジ虎ノ門整形外科病院にて様々な疾患のリハビリを中心に従事。その後、株式会社Sapeetへ入社。姿勢分析サービスシセイカルテの分析ロジックや姿勢改善ストレッチの監修を務める。