接骨院・整骨院の収入は?リアルな収入事情と収入アップ方法を解説
年々増加している接骨院・整骨院。高齢者が増え続ける現代の日本において、需要が高まりそうなイメージですが、収入は一体いくらなのでしょうか?
そこで今回は、「接骨院・整骨院で働く柔道整復師のリアルな収入事情」「収入をアップさせるための方法」について解説。
これから接骨院・整骨院で働きたいと考えている方、またすでに働いていて収入をアップさせたい方の参考になる情報をご紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください。
接骨院・整骨院で働く場合の収入の構成
接骨院・整骨院で働く柔道整復師の場合、給与の構成は「基本給」「各種手当」「賞与(ボーナス)」の3種類あります。
柔道整復師は技術職であるため、基本給よりも各種手当で差がつくケースが多いです。
各種手当の中には、「資格手当」「能力手当」「歩合給」などがあります。それぞれの詳細をみてみましょう。
各種手当 |
詳細 |
資格手当 |
柔道整復師の他に鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師の資格を持っている場合に支給される手当。 |
能力手当 |
保険施術や自費メニューの技術を新たに取得し、能力に応じて支給される手当。 |
歩合給 |
1日に施術した人数や売り上げに応じて与えられる手当。 |
接骨院・整骨院で働く場合は、これらの各種手当で給与をあげるかどうかが鍵となります。
接骨院・整骨院で雇われて働く場合の平均収入
「柔道整復師は技術・資格さえ身につけると収入がどんどん上がっていく」このようなイメージを持ってしまいますが、実際のリアルな収入額はいくらなのでしょうか?
ここでは、「正社員」「アルバイト・パート」「派遣社員」と、業務形態ごとに平均収入をご紹介していきます。
正社員で働く場合の平均収入
2021年10月29日更新の求人ボックス給料ナビを参考に見てみると、接骨院・整骨院で正社員として働く場合、平均年収は約3,690,000円となっています。
国税庁が発表している日本の平均年収が4,673,000円なため、接骨院・整骨院の平均年収は日本の平均年収よりも低い傾向にあります。
給料の分布としては、接骨院が3,540,000円〜3,940,000円。整骨院は3,200,000円〜3,630,000円が最も多くなっています。
また全体の年収幅としては接骨院が2,760,000円〜5,910,000円で、整骨院では2,780,000円〜6,150,000円と収入幅が広くなっています。どちらも300万円以上の差が開いていることから予測すると、スキルによっての差が大きいように思います。
アルバイト・パートで働く場合の平均収入
接骨院・整骨院で働くアルバイト・パートの平均時給をみてみると、接骨院は時給単価995円。整骨院では998円と整骨院の方がやや高い傾向にあります。
ここで全国のアルバイト・パートの平均時給1,107円と比較してみると、109円低い傾向にあります。正社員同様に、アルバイト・パートで働く場合も、全業種込みの全国平均よりも低くなっているようです。
仮に接骨院で月21日間、8時間フルタイムで働いたとすると、月収は167,160円。年収としては2,005,920円となっており、正社員で働く場合の平均年収3,690,000円と比較すると、1,684,080円低い金額となっています。
派遣社員で働く場合の平均収入
接骨院・整骨院で働く派遣社員の平均時給は接骨院で1,402円。整骨院の場合だと1,200円となっています。
アルバイト・パートで働くよりも高い時給となり、接骨院だと407円の差。整骨院だと、202円の差が開いています。
仮に接骨院で派遣社員として月21日、毎日8時間働いたとした場合、月収は235,536円で年収だと2,826,432円となります。
正社員で働いた場合と比較すると、正社員の平均年収が3,690,000円なため、863,568円ほど低くなっているようです。
接骨院・整骨院で働いて収入をアップさせる方法
平均収入をみて、「思ったより高い」という感想を抱く人もいれば、「もう少し稼ぎたい」と感じた方もいるでしょう。
それでは、接骨院・整骨院で働いて収入をアップさせるためには、一体どのようにしたら良いのでしょうか?
最後に、収入をアップさせるための4つの方法についてご紹介していきます。
技術を磨き資格を取得する
一般的に接骨院・整骨院の売上は、単価(円)×患者数(人数)×1人当たりの来院頻度(回数)で計算されます。ところが、この計算ができるのは技術力があること前提です。
患者様が技術力に不満をもち、通ってくれなければリピートしてもらえません。
まずは自信の技術力を高め、患者様にリピートして通ってもらえること。そして、症状の改善に尽力し、患者満足度を高めることで口コミをいただくなど、さらなる集客に繋げていきましょう。
また技術力を高める際には、同時に資格の取得も目指しましょう。例えば柔道整復師と同じ国家資格の鍼灸師であれば、有効期限がなく柔道整復術と併用可能なので、収入アップに繋げやすい資格です。施術の幅を広げて、収入アップを目指しましょう。
技術と会話を通して患者様との信頼を作る
患者様から「また通いたい」「この人に施術してもらいたい」と思ってもらえることが収入アップのひとつ。そのためには、技術だけではなく、会話を通して患者様と信頼関係を構築する必要があります。
信頼関係を構築するためには、「相手を思いやるコミュニケーション」が必須。コミュニケーションといっても、先生が一方的に話しかけるだけではいけません。患者様の様子をみながら上手にヒアリングをしたり、他愛のない話をするなど、高度な技術が求められます。
また話しかけられるのが苦手な患者様かどうかを見分けるなど、観察力も必要です。このようにして、技術だけでなく会話からも「この先生にまたお願いしたい」と思ってもらえるような信頼関係を築いていきましょう。
人気・有名企業へ勤める
人気・有名企業へ勤めることも、収入アップ手段の1つです。もちろんこの限りではありませんが、1つ店舗で経営している接骨院・整骨院で働くよりも、複数店舗を経営している大手接骨院・整骨院で働いている柔道整復師の方が、年収は高い傾向にあります。
その理由としては、大手接骨院・整骨院は資格手当・能力手当などを考慮した給与制度が整っていたり、役職を分けてキャリアプランが構築されていたりするなど、ステップアップ制度が整っている傾向にあるからです。
最終的には院長職・エリアマネージャー職というように、ステップアップしてキャリアアップも見込めるので、将来的な収入アップに繋がります。
開業・独立をして自分の接骨院を経営する
柔道整復師として開業・独立を目指すのも収入アップの一歩です。
柔道整復師は独立・開業のために施術者管理要件の条件を満たす必要があります。その条件には、実務経験と研修の受講が必要です。
実務経験については、平成30年4月から平成34年3月までに届出を出す場合は1年間必要、平成34年4月から平成36年3月までに届出を出す場合は2年間、平成36年4月以降に届出を出す場合は3年間と、期間によって実務経験の年数が異なっています。
このように条件は求められますが、開業・独立をすると、売上から自身の収入を決められるので、雇われて給料として収入をもらっている時よりも高くなるケースがあります。
しかし、売上が上がらなければ収入アップには繋がらないため、個人としての実力が求められます。開業・独立で収入アップを目指したい方は、事前の準備をしっかりと行った上で臨みましょう。
まとめ
今回は、接骨院・整骨院で働く平均収入についてご紹介しました。柔道整復師は自身の技術が収入に反映されやすいお仕事なため、日々学び、技術を磨くことによって収入をアップさせることができます。
その際、雇われて働く場合には、技術をしっかりと評価してくれるところに勤めることが収入アップの近道です。そして、開業・独立も視野に入れながらステップアップを目指しましょう。