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接骨院・整骨院の不正請求はNG!厳正化される国の施策・処罰などご紹介

年々、接骨院・整骨院の数が増加するに連れて保険診療における不正請求が多発。その結果、国から不正請求に対する厳格な通知が出され、保険診療が厳しく制限されるようになりました。

そこで今回は、「不正請求とは何か」「不正請求をする理由」「不正請求が発覚する理由」「国による不正請求への対策」について解説します。

「知らなかった」と後で取り返しのつかないことがないように、確認しておきましょう。

接骨院・整骨院の不正請求とは

そもそも接骨院・整骨院の不正請求とは、どのようなことを指すのでしょうか?まずは不正請求がどのように行われているのかについてご紹介します。

受領委任払い制度の悪用

接骨院・整骨院の不正請求は、受領委任払い制度の悪用によって引き起こされます。

この受領委任払い制度というのは、施術者が被保険者である患者様に代わって保険診療にかかった費用の7割〜9割を保険者に請求するというもので、患者様にとって非常に便利な制度です。

不正請求は、保険者へ請求する際に生じており、さまざまなやり方で不正が行われてきました。次項では、「具体的にどのようにして不正が行われてきたのか」について解説していきます。

施術箇所の偽造

不正請求の方法として代表的なものが「施術箇所の偽造」です。

例えば、肩が痛いと来院した患者様がいたとします。「施術箇所の偽造」を行う場合は、、肩だけを診るのではなく、腕・腰など他の何も症状が生じていない部位も合わせて診ることで費用を膨らませる手法です。

その結果、実際の費用よりも多く施術費を請求することが可能。

中には実際は診ていない箇所を架空で書面に記載し請求するケースもあり、保険者にも患者様にも誠実とは言えない、非常に忌まわしい不正手法の1つです。

部位転がし

施術箇所を次々に変更して、通院を引き伸ばす手法も不正請求の1つ。

例えば、当初腰が痛いために通院していたのに、途中で腕・肩など他の部位の異変も発覚したと偽って通院を引き伸ばす手法です。

確かに患者様が長く定期的に通院することは、接骨院・整体院にとって長期で安定した収入が入るでしょう。しかし、これは立派な不正請求です。

 

他にも、患者様に対して「もう少し通って欲しいので他の部位も怪我したことにする」などのお願いをして通院させるケースもあります。

「施術箇所の偽造」も「部位転がし」もどちらも不正であり、決して行ってはいけません。

接骨院・整骨院が不正請求をする理由

そもそも接骨院・整骨院が不正請求してしまう動機はどのような理由がきっかけなのでしょうか?

ここからは、接骨院・整骨院が不正請求をしてしまう理由について解説します。

保険診療の厳格化

接骨院・整骨院の保険診療では、施術できる症状と施術できない症状が決まっています。

基本的に接骨院・整骨院で施術可能な症状は、「骨折」「挫傷」「脱臼」「打撲」「捻挫」の5種類。

ただし、骨折と脱臼については、緊急時を除くと医師からの同意がない限り施術できません。

また日々の疲れから引き起こされる「肩こり」「腰痛」などには保険が適用されないなど、保険診療の幅が非常に狭いことが分かります。

すると必然的に施術可能な患者様の数が減ってしまうため、接骨院・整骨院は売上をあげるのが困難です。そこで不正を働いて収入をあげようと考える接骨院・整骨院が増えました。

柔道整復療養費の減少

平成23年度をピークに、柔道整復療養費が減少していることも、不正請求の動機の1つではないかと考えられます。柔道整復療養費とは、柔道整復師が行った保険が適用となる施術費用のこと。

この柔道整復療養費は年々減少しており、最も高かった平成23年度の4,085億円から、平成30年度では3,278億円まで減少。割合としては、-19.7%も下がっています。

この急激な減少から予測するに、国からの接骨院・整骨院への指導や監査が強化され、不正請求に対する取り締まりが厳しくなったと考えられます。

するとさらに売上を立てるのが難しくなり、どうにかして不正をしようと考える接骨院・整骨院もいることでしょう。

しかし、これでは国と不正を働く接骨院・整骨院とのイタチごっことなり、さらに厳しくなる可能性もあります。

そして「バレなければ大丈夫」と安易に考えることも危険です。次項ではどうして不正がバレるのかについて詳しく解説していきましょう。

接骨院・整骨院の不正請求が発覚する理由

接骨院・整骨院の不正請求がバレるケースは主に「患者からの情報提供」「従業員による内部告発」の2つ。それぞれ、どのようにして発覚しバレているのかを解説します。

患者による情報提供

接骨院・整骨院が不正請求する際は、当然患者様には話さず黙って行われます。しかし、施術部位の偽造・部位転がしなどは、思っていた施術と違う施術を施したり、通院を長引かされたりと異変を感じるものが多いです。

 

すると、患者様自身が保険者へ問い合わせるケースもあり、その際に保険者は患者様に身に覚えのない施術がないか確認をとることがあります。そこで接骨院・整骨院の申告内容と違いがあると、不正請求が発覚するのです。

また、患者様自身が柔道整復師として働いていて事情知っている場合もあり、すぐに不正請求だとバレるケースも少なくありません。

従業員による内部告発

従業員による内部告発によって、直接不正がバレるケースもあります。もちろん不正を行ってはいけないことが前提ですが、中には働き方に対する不満や院長への不満から、不正を行っていることを通報するケースもあるようです。

このように患者様・従業員と、関わっている方々からバレる可能性は非常に高く、一度不正しているという噂が広がってしまうと、処罰されるだけでなく悪い評判が出回ってしまいます。

長く経営をしていくために、くれぐれも不正請求は行わないように注意しましょう。

接骨院・整骨院の不正請求に対する国の対策

これまで繰り返されてきた不正請求が引き金となり、国から接骨院・整骨院に対しての取り締まりが非常に厳しくなってきました。

そこで最後に、国は接骨院・整骨院の不正請求に対してどのような対策を行っているのか解説します。

受領委任取り扱いの中止や免許の取り消し処分

万が一、不正請求を行ってしまった場合には、「受領委任取り扱いの中止」「期間による業務停止」などの処罰が下されます。また、罰金刑の判決が出た際には「免許取り消し」になる可能性も少なくありません。

行政処分が下った際には、厚生労働省から公表されてしまったり、ニュースになってしまったりするなど、悪い評判が一生ついて回ります。くれぐれも不正は行わないようにしてください。

長期通院の場合料金が減額

部位転がしなどによって長期で通院させることの対策として、国では次のような取り組みが行われています。

  • 初検から5か月を超過した部位に係る施術料金を80%に逓減
  • 打撲、捻挫の施術が3か月を超過した場合、支給申請書に「長期施術継続理由書」を添付

引用:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000134996.pdf

この取り組みによって、3ヶ月を超える場合に「長期施術継続理由書」が必要なため、厳しく調査されます。また5ヶ月を超える場合は80%に減額されるなど、長期で通院させたとしても売上を立てるのは非常に難しいです。

その結果、初検月からの経過が3ヶ月以内の支給申請書が88.9%となり、全体の9割が3ヶ月以内のものとなったと報告されています。このことから、長期通院を行う不正が少なくなったのではないかと予測できます。

多部位請求時の付率低減

施術箇所の偽造や部位転がしによって、多部位に渡って請求する際、3部位目からの給付率が低減しました。国からの通知では、以下のように対策が進められています。

  • 3部位目給付率の見直し(80% → 70%)平成22年導入
  • 4部位目以降施術料金の包括(33% → 0%)平成22年導入
  • 3部位目給付率の見直し(70% → 60%)平成25年導入

この取り組みによって、平成21年では3部位以上の申告が、50.7%だったのに対して、取り組み後の平成26年では3部位以上が31.6%と19.1%も減少。その代わりに2部位申告が増加し、平成21年の38.6%から58.9%と、20.3%も増加しています。

3部位以上の不正申告が少なくなったことは良いことですが、もし不正に2部位の申告を行っている事例が増えた場合には、さらに厳しくなることも考えられます。

柔道整復師として、業界をこれ以上厳しくさせないためにも、不正を働かず誠実に保険請求を行うことが大切です。

まとめ

これまでの度重なる不正請求によって、年々厳しくなっていく国の施策。不正請求は決して行っていいものではなく、柔道整復業界を守るためにも誠実に請求することが大切です。

決してバレなければ良いというものでもなく、万が一不正が発覚した場合には、今後経営していくことが難しくなってしまいます。不正請求を「知らなかった」で済ませないためにも、今一度ルールを確認しておきましょう。

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