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姿勢分析の評価はどう書けば良い?分析後に意識したい評価内容の書き方を解説!

患者さんの身体の怪我や不調の治療をサポートする理学療法において、怪我や不調の根本的な原因を追及することは非常に重要です。怪我や不調の根本的な原因を追及することに役立つ検査の1つに「姿勢分析」が挙げられます。

患者さんをただ見るだけではなく、実際に各部位に触れたり観察したりすることで、理学療法の観点から怪我や不調の改善に役立てるのが姿勢分析です。本記事では、姿勢分析を評価する上でのポイントと、姿勢分析の評価の書き方をご紹介します。

目次

1.「良い姿勢」「理想的な姿勢」とはどんな姿勢か

2.姿勢分析をする上でのポイント

3.立位での姿勢分析の評価結果の書き方

4.まとめ

1.「良い姿勢」「理想的な姿勢」とはどんな姿勢か

「良い姿勢」「理想的な姿勢」と言われて、どのような姿勢を思い浮かべるでしょうか。人によってさまざまだと思いますが、実は今あなたが思い浮かべている姿勢は、「良い姿勢」では無いかもしれません。では実際、どのような姿勢が「良い姿勢」「理想的な姿勢」とされるのかを解説します。

どんな姿勢が「良い姿勢」なのか?

実は、現時点で「良い姿勢」の定義は統一されていません。理学療法においては一般的に姿勢を「力学的視点」「生理学的視点」「心理学的視点」「作業能率的視点」「美学的視点」といった5つ視点での判断基準に基づいて判断しています。

5つの基準が正常に機能していれば、頭や身体、骨盤や手足などの調節が正常に行われ、各部位に対して負荷が均等にかかる状態を維持できます。しかし、5つのいずれかに問題が発生してしまうと、持続的に姿勢を保持する体勢に異常が発生します。

また、運動をする上での関節運動の反復が生じ、構成要素の機能障害との相互作用によって、悪い姿勢になったり運動機能障害が進行するリスクが高まる可能性が高いです。例えば、椅子に座っている時に足を組んだり肘をついたりなど、本人にとっては楽で安定した姿勢であっても、ただ感覚的にそう感じる姿勢は姿勢分析の観点においては「悪い姿勢」となりえます。

「理想的な姿勢」の要素①動ける姿勢

「理想的な姿勢」を構成する要素の1つとして挙げられるのが、運動がしやすい姿勢です。骨が自然なS字カーブを描いて、関節が良く動き、筋肉がしっかり伸縮する状態であり、身体に負荷がかかる前に元の姿勢に戻りやすい各骨格の配列が整っている姿勢でもあり、この姿勢を「ニュートラルな姿勢」と呼びます。
また「この体勢でいなければならない」という概念に縛られすぎていると、かえって体の歪みを発生させる原因になりかねません。身体に対して無駄な緊張を与えず、力むことなく最小のエネルギーで姿勢を保持することが大切です。人によって体重や筋力、身長、骨格、柔軟性に違いがあるため、姿勢を整える方法も異なります。

「理想的な姿勢」の要素②重心が安定している姿勢

重心とは「もののつり合いが取れる場所のこと」であり、立ち上がった時に両足の外側を囲んだ面の真ん中に重心が落ち、床から跳ね返る力と一致していると、身体は安定して直質の姿勢を保ちます。

しかし、重心が安定しない状態で作業を行うと、悪い姿勢を形成する原因になりがちです。例えば皿洗いや掃除機をかけるといった動作では、身体が前のめりになり重心が前へ移動し、ふくらはぎや背筋が働き姿勢を保持しようとします。しかし、姿勢を保持しようとする際に発生する身体への負担を避けるために、背骨や膝、股関節を曲げて前に倒れないように様々な部位が活動することが多く見受けられます。

この動作が続くと身体の背中側の筋肉が伸びてしまいお腹側の筋肉が縮み、筋肉のバランスが悪くなって、猫背になる可能性があります。

2.姿勢分析をする上でのポイント

姿勢分析は、目視や触診、画像や動画で人間の姿勢を分析する技術です。直接目視で分析するのではなく、画像や動画を分析する場合は、記録に残した過去の姿勢と現在の姿勢を比較して、改善されているかもより正確にチェックできます。姿勢分析をする上でのポイントを押さえ、より効率的に患者さんの怪我や不調の根本を追求しましょう。

「何を」「どのように計り」「どう読むのか」を明確にする

患者さんからの相談を基に姿勢分析を行うには、「何」について調査・評価し、そう計測するのかを明確にする必要があります。一口に姿勢分析といっても骨盤や筋肉、動作など調べる部位はたくさんあるため、具体的に何処をチェックすべきかを検討することが重要です。

データの処理はコンピュータが行ってくれますが、計測方法やそのデータの読解は理学療法士自身が行うため、「何を」「どう読むのか」を明確にしなければ分析をする意味がありません。指標の選択とその解釈は、検査する側に委ねられた課題と言えるでしょう。

姿勢分析の目的を明確にする

重症度の判定などを通じて、障害特性の把握や機能的に予後はどうなるか、治療は効果を発揮しているか判定したり、悪化している根本の問題を推定したりすることも、姿勢分析の目的のひとつです。

また、姿勢分析を実施する際に、1つの計測方法では誤差が発生したり、正しいデータが取れなかったりするリスクも存在します。そのため、何故この患者さんに姿勢分析を行う必要があるのかを明確にすることを意識し、患者さんひとりひとりに合った姿勢分析の方法を確認しましょう。

そもそも何故姿勢が悪くなっているのかを把握する

姿勢が悪化している原因は患者さんによって様々です。先天的な奇形や疾患による構造的な変形がある場合は、姿勢分析を行うだけでなく手術を検討するケースもあります。また、骨折や脳性まひ、脳卒中などの疾患だけではなく、過度な体重の増減も姿勢が悪くなる要因です。痛みを避ける姿勢を続けていることでも姿勢は悪くなり、生活習慣や心理状態なども姿勢維持に関わるため、姿勢分析を行う前に患者さんと話し、ある程度姿勢が悪い原因に検討を付けておく必要があります。

姿勢の構成要素・特徴を明確にする

姿勢分析では立位や座位の観察を行いますが、その際に、患者さんの姿勢の特徴や、各部位のどのような動作により構成されているのかを明確にする必要があります。立位姿勢の場合には、足底面での圧中心と身体重心が垂直線上にある時に直立姿勢を保つことが可能です。

この時両方の足が重力に対して伸展しているか、骨盤を安定的に支えているかどうかをチェックする必要があります。このように、姿勢によって構成する要素や特徴は異なるため、姿勢分析の対象となる姿勢の構成要素や特徴を明確にしておきましょう。

3.立位での姿勢分析の評価結果の書き方

姿勢分析では観察を行った後の「評価」が重要です。観察結果から分かる患者さんの状態を誰から見ても分かりやすいように評価結果を書き、さらに患者さんに評価結果を分かりやすく伝える必要があります。具体的に姿勢分析の評価で意識すべき書き方を4つご紹介します。

姿勢の観察方針を書く

姿勢分析をする際、まずは「どのような方法で」「どの部分を」計測するかを患者さんにも分かるよう、明確にしましょう。画像や動画で姿勢分析を行うのか、触診を行うのかは患者さんによって様々ですが、最初に方法を説明をしておくことで、患者さんも安心して姿勢分析に参加できます。

また、観察をする際、四肢や体幹を最初にチェックしますが、中枢神経系の働きにより、姿勢が保たれているという事も意識した観察が必要です。先天的な奇形やケガだけでなく、目には見えない患者さんの悩みにも寄り添い、観察方針を定めていきます。

全体的な着眼点

姿勢分析を行う前に、「腰が痛い」「横になると辛い」「皿洗いの動作が辛い」といった、日常生活を送る上で患者さんが困っていることを把握することが重要です。もちろん問診をせずに姿勢分析を行っても、ある程度の分析結果を得られます。

しかし、患者さんの姿勢に関する悩みを解決するためには、日常生活で患者さんが困っていることを把握することが重要です。問診を行うことである程度姿勢分析をする上での目星を付けておきましょう。

その後立位姿勢をしてもらい、おおまかな全体像を見て、重心は傾いていないか、何かしらの特徴はあるかといった点を観察すると効率よく分析できます。ある程度の分析が出来たら、前額面や矢状面など、前後差や左右差があるかどうかも調べていくことをおすすめします。

前額面での評価点・着眼点を書く

前額面は人体を前後に分けた面を指し、この面に沿って関節は「内転」と「外転」を行い、手を振ったり窓を吹いたりといった左右の動きを行うのが特徴です。そのため、患者さんの前方だけでなく、後方から立ち姿を観察する必要があります。その際に、左右は対称か、また対称でなければ支えているのは左右のどちら側寄りか、足底面と身体の重心は垂直線上にあるか、全身の重心が骨盤内に位置しているかなどを確認しましょう。さらに、へそのあたりから頭のてっぺんまで一直線上にあるか、体重を支えている足は垂直になっているか、踵から垂直線上に坐骨、肩甲骨が位置しているかも確認しておくことも重要です。

矢状面での評価点・着眼点を書く

矢状面(しじょうめん)は身体を前後に貫いて左右に分ける面であり、この面に沿って「屈曲」「伸展」という動きを行うのが特徴です。日常生活においてはお辞儀などが矢状面の動きになります。
重心線として外果の前方から垂線上に、大転子、肩峰、耳垂、頭頂があるかなどを参考にして観察しましょう。外果とは、腓骨(ひこつ)の下端が肥厚して下方に突出した外側面を指します。左右それぞれから観察し、水平面の動きを推察することもできます。

4.まとめ

姿勢分析をする上でのポイントや、姿勢分析の評価の書き方を解説しました。

多くの方は自分にとって楽で安定する姿勢を取りがちですが、自分にとって楽で安定する姿勢だからといって「良い姿勢」ではないため、姿勢分析の評価結果に応じて患者さん自身で「良い姿勢」を維持するための努力をしなければいけません。そのためには、治療者側である理学療法士などからの分かりやすい解説が必須です。

本記事でご紹介した姿勢分析の評価の書き方を参考に、患者さんにも分かりやすく伝わる姿勢分析評価を書いてみてください。

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